師範の言葉

10歳の時、近所の空手道場に通いはじめた。

動機は、弱いから強くならなきゃならないと思ったこと。

 

父親に土下座までして、習わせてもらった。

 

その町道場は、和気あいあいとしたなかにも

しっかりとした道場だった。

私のなかでは、一番良かった道場、環境だといまでもおもってる。

 

その後も、武道観のようなものは、人生のあらゆる面で助けられ、気づきを与えてもらってきたとおもっている。

 

最近だと、猫の妙術や天狗の芸術論に感銘を受けた。

 

別に私自身は強くもないし、段位もない。

ただ、良い先生がたにめぐまれ、大切なことを沢山教わってきたと思っている。

 

最近最初の師範に言われた、「攻めれば強いが、攻められると弱いな」と組手で言われたことをよく思い出す。

 

もう25年以上もたつのに、人生のあらゆる面で

本当にそうだなと思う。

 

いまは、習ってもいないし、ランニングや動画を公開してるかたから、コンタクトをとり多少エクササイズとしてやる程度。

身体操作や色々興味はつきないが、まあ納めたわけでもないので、趣味程度ですが。

 

攻守のバランス、間合い、呼吸、タイミング、流れ。

どれも生きていくなかで、本当に大切だと感じることばかり。

 

人生の困難を笑って進める力、知恵が

武道にはあるのかもと最近強く思う。

 

そこにこれからを力強く生きるための

ヒントがあると強く感じている。

 

昔は戦わずして勝つなんて理想すぎると

思ったが、目指す価値があるだけのものだと

本心から思うようになった。

 

まずは、自分の葛藤、恐れに

揺れない自分を目指して

そう在るための方法を探している

 

攻められても、動じない自分で在るためには

どうしたら良いか?

 

それを模索してきたんだと

最近自覚できた。

 

あの時師範が言ってくれなければ

己に気づくこともできずに、ただひたすらに

攻めることしかできなかった自分だったら

もっと傷を深めたり、より困難になってしまったりしてたことが沢山あったと思う。

 

自己研鑽は自分を自由にしていくものかもしれないなと最近思うようになった。

 

師範ありがとうございました。